ガラス玉演戯 上下 ヘルマン・ヘッセ 高橋健二 文芸雑誌 昭和

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ガラス玉演戯 上下 
DAS

■ GLASPERLENSPIEL
ヘルマン・ヘッセ 高橋健二 
新潮文庫 赤

上下 昭和53年 320円 360円

ヤケすれカバー汚れ等経年あります、下巻はカバーの両袖が離れています。

中も灼けています
落丁や書き込みはありません

レア本です。

レビューより

『ガラス玉演戯』は第二次世界大戦の最中、1934年にスイスで刊行。ヘッセの作品の中で最大の作品であるとともに、最後の長編であって、その時ヘッセはまだ六十六歳であったが、その後もはや息の長い作品を書かなかった。彼はこの一作に精神的、肉体的エネルギーを投入しきって、彼の文学の総決算をした観がある。その後の十九年間は、軽いエッセイや小品や詩や読者への手紙で余生を送ったという形になった。それだけ、これはヘッセの全てといってもよく、質量とみにヘッセの全文学中、最も高い地位を占め、最も重い比重を持っている。


この大作が出て3年目に、ヘッセがノーベル賞を受けたため、いわばノーベル文学賞作品として有名になったけれど、きわめて高度な哲学的な芸術的な作品であって、大衆作品ではない。ところが、意外なことに、ドイツ語の版だけで1970年までに52万部に達している。最もポピュラーになっている『車輪の下』や『デーミアン』よりずっと多く出ているのは、まったく驚くべきことである。ノーベル文学賞の作品というだけでは、持続的に多くの人に読まれるわけにいかないであろう。

ヘッセが見習い機械工だった頃に町工場の主人が、ガラス玉と針金で組み立てた楽器でさまざまの着想を構成したことに端を発しているようです。これが物語の中ではさらに音楽的、数学的、宗教的に高められ、一つの学問として成立した未来、もしくは超時空的な時間軸の中でのお話です。哲学的SF作品といってもいいかもしれません。

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