森寛斎自筆『立雛図』掛軸*奥谷秋石極箱 地味な

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繊細な筆致で立雛を色鮮やかに描かれております。落款は「壬申春日寫寛斎」とあり、「壬申春日」より明治5年(1872)の春に描かれたことが判ります。極箱は寛斎の弟子である奥谷秋石で箱蓋表に『森寛斎翁筆立雛之図 紙本竪幅』、蓋裏には『後学 秋石観』として印譜が捺されております。近くで観察すると立雛左側、上部にシミがございます。*写真⑪⑫
全体に巻きジワがあります。描かれてから150年程経過しておりますので経年変化とお考え下さい。目立った汚れはなく、全体の調子は良好です。軸先は陶器で金襴手仕上げとなっております。

極箱。

長さ185㎝ 幅39.7㎝(表装を含む)

美術家名鑑評価額700万円。

【作者】森寛斎(もりかんさい)
文化11年(1814)~明治27年(1894)
絵師。円山派。帝室技芸員。京都府画学校教授。長州藩士石田伝内道政の三男。22歳の時、大坂に出て徹山に師事。25歳の時、見込まれて徹山の養子になり、円山派の画風を明治時代に伝えた。塩川文麟歿後、如雲者の代表に推され、多くの門人を養成した。京都に住み、幕末には勤皇の志士と交わった。代表作『松間瀑布』『赤壁の図』『月前葡萄り栗鼠図』『楠木正成像』『京都名所四季図屏風』

【極箱】奥谷秋石(おくたにしゅうせき)
慶応元年(1865)~昭和11年(1936)
絵師。裏千家14世淡々斎宗室の絵の師匠。画を森寛斉に学ぶ。 地味な 師から学んだ円山四条派の画法を多くの門人に伝え育成した。 明治、大正、昭和の京都画壇を代表する作家の一人である。

【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
美術家名鑑 美術倶楽部

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